目次
経営情報学会 会長挨拶
この度、2021〜22年度期に引き続いて、2023〜24年度期の一般社団法人経営情報学会の会長を務めさせていただくことになりました田名部元成です。2020年1月30日に世界保健機構(WHO)から発せられた新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態の宣言から、その終了まで、実に3年3ヶ月という時間が経過しましたが、その間、社会経済、産業構造、ビジネスモデル、仕事や働き方、健康・医療、教育・学習など、さまざまな分野で大きな変化が生じました。コロナによる不可逆的な社会への影響に加えて、国際情勢の大きな変化、生成AIの急速な社会への浸透など、様々な要因が絡み合って、私たちは、まさに変動性、不確実性、複雑性、および曖昧性がますます高まる時代の只中にあります。私は、このような時代にあって、経営活動における情報と情報技術の効果的な利用を追求する経営情報学は、より良い社会づくりに必要な重要な役割を果たすものと確信しております。 今期から、「経営情報学会は、組織体における経営上の意思決定や組織的プロセスを効果的に支援するための情報システムがもたらす影響や価値に関する知識を多様な視点から探求し、国際的な視野から社会へ発信することを通じて、学術界と産業界をリードし、経営情報学の進歩と社会の発展に貢献する」という展望を会長ビジョンに据え、また、このビジョンを実現するために「萌芽育成」を学会コアバリュー(行動指針)として掲げて、経営情報学会の国内外における学術的プレゼンスの向上を目標として、経営情報学会の活動を展開していきたいと考えています。 この萌芽育成とは、具体的には、①既成の概念や既存の価値観に捉われないオープンな態度で本質を見抜く虚心坦懐の洞察、②未完成なアイデアや不完全な理論を批判的思考で相互に磨き上げる切磋琢磨の洗練、③課題解決のために知識を実践に移し、得られた知識を共有する知行合一の実践を指します。年次大会や全国研究発表大会、研究部会や地域支部、学会誌の編集・発行に係る理事会としての意思決定の際には、この萌芽育成を念頭に置いて検討を行なっていきたいと考えています。会員の皆様におかれましても、学会諸活動において、上記の萌芽育成を指針として行動していかれることを期待いたします。 今期の目標は、上で述べた通り、経営情報学会の国内外における学術的プレゼンスの向上です。そのために、研究者間そして研究者と実践者の交流を促進することにより、学術知と実践知の共創をもたらし、それらの対話を通じて、世界に通用する学術的成果を生み出していけるよう当学会のケイパビリティを高め、持続的な発展ができる学会の実現を目指します。この目標は、2021〜22年度期にも掲げたものですが、コロナ禍という状況下で、十分に活動が展開できない側面もありました。今期は、この目標の実現のために、以下の活動を展開して参りたいと考えています。 活動の一つめに、年次大会と全国研究発表大会の役割を明確化し、参加者の会員経験を向上させ、研究の多様性と水準の向上を図ります。二つめに、研究部会と地域支部が、絶え間のない全域的なコミュニケーション機会を多くの会員の皆様に提供し、活動成果を向上できるよう、持続可能な研究部会と地域支部の在り方を検討します。三つ目に、学会誌への投稿数の増加と掲載論文の質が向上するよう、現状の学会誌論文採択方針や査読や論文賞推薦のプロセスの検討を行います。4つ目に、年次大会や全国研究発表大会の開催、研究部会や地域支部の活動、学会誌への論文等の掲載、その他、シンポジウムやワークショプなどの学会活動に関する情報をより迅速に会員の皆様および一般に向けて発信するための現状体制を点検し、学会活動の認知度向上を図ります。 今期は、学術知と実践知の萌芽を大切にし、それらを育てていくという、前々会長の掲げた学会の方針を学会コアバリューとして具現化し、今後のより良い情報社会の実現に貢献できる学会、そして、会員の皆様がやりがいを持って活動できる学会の実現を目指し、副会長、理事の協力のもと、全力を挙げて職務を全ういたします。会員の皆様のご支援を心からお願いいたします。
経営情報学会(JASMIN)とは
経営情報学会は1992年4月1日に経営情報に関する研究の推進と議論の場として設立されました。
経営情報学会の目的
経営情報学会は、経営情報にかかわる諸問題の研究および応用を促進し、会員相互および関連する学協会との情報交換をはかるとともに、経営情報学の確立、産業の進歩発展に寄与することを目的としています。
経営情報学会の事業
経営情報学会では、以下の事業を行っています。
研究会、研究発表大会、シンポジウム、講演会、討論会の開催
学術的調査、研究
学会機関誌、研究報告書、その他の刊行物の発行
内外関連学会との連絡、交流、共同研究
大学院生等新進気鋭の研究者への研究機会提供
受託調査・研究
その他前条の目的を達成するための事業
経営情報学会の特徴
社会科学系と工学系の双方が同じ研究目的を持ち, 自由な雰囲気の中で幅の広い研究活動を行っております。
企業人、大学人が分け隔てなく共に参画し、啓発しあいます。
民主的でダイナミックな学会、オープンな学会を目指します。非学会員にも論文投稿の道を開いています。
研究会が極めてバラエティ豊かで、多様なニーズに応じます。
海外研究者との積極的な交流を深め、世界に開かれた、世界に通用する学会を目指します。
経営情報学会 名誉会員
宮川 公男
高原 康彦
岡本 行二
宮川 東一郎
真鍋 龍太郎
倉重 英樹
山田 善靖
飯島 淳一
村上 輝康
平野 雅章
浜口 友一
小佐野 豪績
木嶋 恭一
服部 正太
根来 龍之
Mission and Objectives
*2001年3月8日理事会決定
MISSION
これからの企業,組織,社会,また個人にとって,情報技術の利用は,ますます重要になっています。しかし,情報技術の開発に比べて,その利用についての理論的研究は十分なされているとは言えません。 経営情報学会の使命は,情報やコミュニケーションと経営の接点に関心を持つ研究者,実務家、および教育者に対して,企業,組織,社会,また個人の情報および情報技術の活用に関する対話の場を提供することです。
OBJECTIVES
経営情報学会は,次の活動を行うことにより,情報および情報技術の活用についての知識の研究・普及をはかります。
情報および情報技術の活用に関する知識の源泉となることをめざします。
研究会,シンポジウム,ワークショップ,講演会,研究発表大会などを通じた対話の場の提供
学会誌や普及誌,ウェブサイトなどによる情報の共有
情報および情報技術の活用に関する研究および調査
内外の関連学会との連絡および協力を通じて,情報および情報技術の活用に関する我が国における中心的な学会となります。
情報および情報技術の活用に関する研究,事例研究および調査についての評価を通じて,その奨励および促進をはかります。
情報および情報技術の活用を推進できる人材を育成する方法の研究・普及をはかります。