福島第一原発事故時の東電テレビ会議の多面的分析
高信頼性組織の観点より

四本 雅人1)、髙木 俊雄2)、中西 晶3)、牛丸 元3)

1) 関東学院大学
2) 沖縄大学
3) 明治大学

Abstract 2011年3月11日に東日本大震災とそれに伴い発生した大津波を受けて発生した福島第一原発事故により,これまで構築されてきた原発の安全神話は崩壊した。安全神話のレトリックの自縛のなかで、高信頼性組織としての対応能力を失っていった東京電力は有効な対策を講じることができず,複数の原子炉がメルトダウンを起こし,史上最悪のレベル7と評価される「過酷事故」となっていったのである。
 東京電力は,事故当時の本店と福島の現場とのテレビ会議の映像を公開してきているが,本報告では,このテレビ会議をネットワーク分析とディスコース分析することによって,いかなるアクターが関与し,最前線でどのような言説と実践があったのかを考察する。
Keywords 高信頼性組織,ネットワーク分析,組織ディスコース分析
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