システム分析はなぜ存在を当然視してきたのか?

小坂 武1)

1) 諏訪東京理科大学

Abstract ここで関心を有するシステム分析は、結果的に情報システムの設計に結びつく範囲のものをいう。システム分析は主として専門家としてのシステム分析者がある程度のユーザ参画のもとそれを行ってきた。彼らは現場の外にいる人間であるが故に、客観的視点で対象領域を把握できるとされてきた。そのとき、彼は対象領域にニーズがあると考え、あるいは詳細にはニーズを構成する存在物があると想定してきた。これは、現場でのニーズを構成する存在がどのように成り立ってきたかについては関心を十分に払えないで来たことを意味する。それはなぜなのかを本稿は問う。この問いがシステム分析そのもののリエンジニアリングにつながると考えるのが我々の問題意識である。
Keywords システム分析,情報システム,存在
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