効用関数を活用したリスク認知の数理モデルの提案

安井 省侍郎1)

1) 厚生労働省

Abstract 多くの安全に関する規制は、「許容可能リスク」などの概念を活用して設定されている。しかし、放射線による健康影響などについて、客観的なリスク(例:ガンの発生確率)と、認知リスクには大きな乖離があり、かつ、「恐ろしいリスク」や「未知なリスク」は、その乖離を増幅させることが多数の心理学的研究で指摘されている。本稿では、この乖離を説明できるノイマン-モルゲンシュテルン効用関数を活用したリスク認知に関する数理モデルを提案するとともに、そのモデルを応用して安全規制の制定についての社会的合意形成への応用可能性を考察する。
Keywords リスク認知,効用関数,許容可能なリスク
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