ERPシステムの導入効果に関する考察
新業務検討における調整プロセスの視点から

飯塚 佳代1)、工藤 周平2)、宮本 道子2,3)

1) 専修大学
2) 秋田県立大学
3) 統計数理研究所

Abstract 日本におけるIT導入においいては、欧米に比べてパッケージの活用の度合いが低いとしばしばいわれている。それには、日本における導入や運用のマネジメントの特有の事情も関与していると考えられる。日本のシステムユーザの実態調査のデータを対象として、筆者らが導入満足度の形成要因を分析した結果、業務への適合度などが強く影響するという傾向がみられた。本稿では、「業務への適合度」の概念について議論するとともに、カスタマイズに関する調整の観点から満足度について分析を行った結果について論ずる。また、調整のために必要な概念として全体の戦略や事業とITの整合性の観点についても解説し、筆者らの提案する概念について述べる。
Keywords ERP導入,新業務,カスタマイズ範囲
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