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経営情報学会関西支部 平成17年度講演会
 記念講演概要
 
ご講演者
正木 千陽氏

ESRI JAPAN 代表取締役 社長

日時
200542313:30-15:00
場所
マイクロソフト株式会社大阪営業所セミナールーム
内容

 GIS(Geographic Information Systems地理情報システム)は文字・数値・画像を表す属性データと位置・形状などを表す図形データと融合したデータベースを用いて、統合的に処理、管理、分析を行い、その結果を表示するコンピュータ情報処理系である。現在、行政、国民生活、民間などさまざまな分野で活用されている。

 GISではデータ管理に、ドットで表すラスタデータと座標で表すベクタデータの2種類のデータモデルを利用しているが、加工や解析しやすいため、主にベクタデータを扱う。GISは幅広いニーズに柔軟に対応できる多機能解析ツールである。3次元表示、空間解析、検索、集計、アドレスマッチングなど高機能以外、高い表現能力もGISの特徴である。GISを利用して、顧客データと公開されている国勢調査(http://www.stat.go.jp/data/kokusei/)データをオーバーレイ処理させ、経営に役に立つ、様々な分析が行える。

 ネス戦略が不可欠である。さらに、付加価値ビジネスを継続できるように、自立的で変化への対応力を持つ「進化する経営組織」を創るJQAやBSCの導入を図ることが肝要である。こういった戦略を実現するためのIT戦略として、第1に社内に言うに及ばず、すべての取引先まで含めた改革を行うことで、ビジネスプロセス全体に及ぶ密接な連携を促進する。第2に、いつ、どこで、何をしたかなどの情報を蓄積し、リアルタイムに把握して情報を提供することで、取引先・顧客との信頼関係を築く。第3に、インターネットやコールセンターなどの活用で物理的な制約を排除したビジネス展開を行うなど、時空の制約を越えたビジネスを展開することである。

 現在、環境破壊、高度情報化、少子高齢化、国際化など様々な問題を抱え、社会環境がより複雑化になっている。絶えず変化する社会環境を背景として、GISによるソリューションの提供が期待されている。例えば、新潟中越地震からの復旧・復興を支援するため、GISは被災状況の全体を把握や、被災度判定調査の効率化、罹災証明書の発行業務などに使われた。アジアの鳥類分布データベースの構築や、感染症リスクを可視化して蔓延を防止する事例など、GISの社会的応用はほかにもたくさん事例が挙げられる。ビジネスにおいては、GISが製造業、金融・保険、建設・土木、運輸・通信、小売、電力・ガスなど幅広い分野で、CRM、エリアマーケテイング、競合分析、エリア分析などに利用されている。世界最大級のガス配管を管理している大阪ガス株式会社では、コスト削減と各種業務の支援にGISを活用している。インクリメントP株式会社もカーナビ市場で生き残るために、GISを導入し、生産性・品質・鮮度を向上させた。今後、Web技術との統合によって、データの分散管理が実現され、GISの社会的応用がさらに進んでいくだろう。


備考
参加人数30名
LastUpDate : 2005/09/08